その昔、カリブはミクシィというサイトで日記を書いていました。今もあるんですが、私は8年前くらいで書くのをやめました。
そんな過去の日記たちの中から、「ギリギリ恥ずかしくない!」「なんとか見せられるクオリティ」のものを見つけたので、2回に分けてご紹介したいと思います。
2012年、約8年前の日記を加筆修正しつつお届けします。
ひとりスキー開拓!(前編)
今月の上旬の話である。(※8年前です)
この春のダイヤ改正で、急行「きたぐに」が廃止になる。
2月のスキー旅行はメンバー全員がスノボで参加予定。
そして目の前には3連休・・・
こうして導き出された答えは「寝台急行でスキーに行く」であった。
しかも一人で。
自分のスキー板を持っていくか心底悩んだが、重たいので現地でレンタルすることにして、ウェアだけ持っていくことにした。
急行「きたぐに」最後の乗車
年始の大阪駅。23時ごろになるとやはり人が少なくどこか物寂しい。
「きたぐに」は3回目の乗車だが、もう乗れなくなると思うと感慨深いものがある。
ビールとおつまみを携えて、北の国へと向かう列車へと乗り込んだ。
適当に晩酌を済ませて一服した後、揺れる寝床で眠りについた。
翌朝、車掌に起こされ糸魚川駅に降り立つ。
・・・寒い。そして暗い。
まだ朝の5時半ということもあって駅前に人影はない。
銀世界との邂逅
とりあえずお金を下ろさないとリフト代すら無いので、近くのコンビニへ。
北国特有の融雪パイプからは水が出ていて辺りを濡らし、街灯が反射して綺麗だった。
なんとかお金をATMで下ろし、再び駅へ戻り、始発の大糸線に乗り込んだ。
ワンマンのディーゼルカーだったが、暖房が効いていて暖かい。
発車すると心地いい振動が俺を眠りへと誘った。
気がつくと夜が空けていて、辺りは一面の銀世界だった。
JR西日本と東日本の分界駅である南小谷駅へ降り立ち、
金持ちJR東の近代的な電車へと乗り込む。
こちらは3両編成だ。
それほど雪が積もっていなかったが。雪の中を列車で走るのは面白い。白馬駅で下車してバスを待つ。今日の行き先は白馬岩岳スキー場だ。
気がつくと雪が降り出していた。スキー場に着く頃には豪雪になっていた。
「・・・寒い」
この日の気温は-5℃。体感気温はもっと低かったかもしれない。
ひとりスキーの洗礼
徒歩10分ほどかけてチケット売り場でリフト券を買い、すぐ脇のレンタルショップへ。
カービングスキーを借りた後更衣室を探すが、マジで場所がわからん。
結局レストランとかに迷い込んだりしながらロッカーを探し出して着替え完了!
さぁ記念すべき「独りスキー」初滑りである。この時点で午前9時!
リフトに乗り込んだ俺の感想は・・・
「話し相手がいないと寂しいなぁ」
…大方の予想通り、なんか寂しい。そして寒い。・・・心も体も。
しかし諦めてはいけない。とりあえずウォークマンを聞きながら無理矢理テンションを上げる。
視界は悪いし、初めてのゲレンデでコースもよく分からんがガムシャラにすべった!
案の定、すぐに体力が奪われてしんどくなってきた。
「これはもうだめかもわからんね」
そう思って11時過ぎに昼食を兼ねて休憩することにした。
ゲレンデのベースにある大きなレストランに入って牛スジ丼を食べることにしたのだが、驚くべき事実が。
「客が俺一人しかいねぇ…」
そう、300人は入ろうかという規模のレストランの中にいる客は俺一人だけ。
これはもう寂しいとかいうレベルを超えている。
誰もいない空間で食べる牛スジ丼は、涙の味がした。
孤独のスキーヤー
現実逃避を兼ねて1時間ほど机に突っ伏して昼寝をした。
帰りのバスまであと3時間。
まだ滑り足りないと思ったので、比較的スピードの速いリフトを使って往復していた。
そんなに広くないスキー場だったが、客が少なかったのでほぼ貸切状態。
リフトの係員、絶対に俺の顔覚えてるよ。
しかも一人だから余計に目立つ。
きっと孤独のスキーヤーとかあだ名つけられてるよ!
ひたすらスキーを楽しんだあとは温泉だよね!
ということで、ゲレンデから徒歩5分の温泉で汗を流す。
ちなみにここも貸切状態でした。もう立ち上がってシャンプーとかしても全然迷惑かかんない。
湯船でワニみたいに移動しても誰も嫌な顔しない、ていうか誰もいない。
孤独の(白馬)グルメ
そうして孤独ポイントを溜めに溜めたあと、バスへと乗り込んだ。
白馬駅周辺のおいしいお店をスマホで探す。
どうやらソースカツ丼の美味い店があるらしい。
最寄のバス停で降ろしてもらい、歩くこと更に5分。
どうやらやってるみたいだ。
雪国特有の風除室?の2枚扉をくぐって店内の座敷席へ。
そこで食べたソースカツ丼の味は・・・普通に美味かった。
ソースが甘口でカツの衣がサックサクで非常にウマい。
お腹と心が満たされたね。
白馬駅で緊急事態
白馬駅の待合室で金沢方面への列車を待つ。室内にはダルマストーブがあって趣がある。
20分ほどで乗車予定の列車が入ってきた。
今晩はこの電車と特急を乗り継いで金沢で一泊の予定だ。
白馬よ、世話になったな・・・
旅愁を漂わせながら列車に乗り込む。
通学時間帯なのか、車内には学生が多い。
ここでも一眠りしようかなと思って座席に座り込んだその時、不意に車内アナウンスが入った。
「大糸線内大雪のため、この電車は白馬駅で運転を取りやめます」
・・・どうなる、俺!?
(その2に続く)
カリブ補足
というわけで、つづきます。
当時まだ20代だったこともあり、けっこうムチャなプランを立てていますね。
今だったら絶対こんな自虐的な行動はしない…と思う。
文中に出てくる急行「きたぐに」とは、大阪~新潟を走っていた夜行列車です。
電車の3段式寝台列車で、真ん中の段が一番狭い代わりに割安でした。
カリブはその中でも上段ベッドの無いパンタグラフ下の中段、通称「パン下」で寝ていました。
実質2段しかないので頭上が広く、なおかつ安いというおトクなベッドです。
私が降り立った糸魚川の駅は終点の新潟までかなり距離があったため、夜明け前でした。
当時は北陸新幹線の工事をしていたのを覚えていますね。
このまま孤独な旅で終わってしまうかと思っていましたが、この後発生したハプニングのおかげで状況が変わります。
さて、一体どうなってしまったのでしょうか・・・?
興味が無くても明日の更新をお楽しみに!
コメント
[…] もし前回の日記を見ていない方は、「カリブ昔の旅~その1~」を見てからご覧ください。 […]