きっぷのはなし

RAILWAY

私達が日常生活の中で、列車に乗るために必要な「きっぷ」。

今日はそんな身近なきっぷのしくみやルール、その他こぼれ話などをご紹介していきます。

エドモンソン券

いわゆる券売機から出てくる近距離のきっぷのこと。19世紀にイギリスのエドモンソンさんが考案したサイズです。

一番オーソドックスなきっぷですね

大きさはタテ3センチ、ヨコ5.75センチの長方形をしています。

券売機のウラには幅5.75センチの原紙がトイレットペーパー状に巻かれた、ロール紙がセットされています。これを3センチごとに切り分けながら発売しています。

考案されてから200年近く経った今でも、変わらないサイズなのが面白いですね。

裏が黒いきっぷ

そんなロール紙の裏面には、磁気で情報を書き込むための特殊な素材が塗られています。

「磁性体」と呼ばれる粉が原料となっていて、その色が黒いためきっぷの裏面が黒くなっています。

券売機で発売する際に、磁気できっぷの情報を書き込むことで「○○駅から△△円」などの読み取りが出来るようになります。

改札機を通る時にその情報を読み取る訳ですが、折り目や水濡れで磁気が読み取れない場合があります。

そうなると改札機が閉まり、係員対応が必要になります。

くれぐれも皆さんはきっぷを折り曲げたりしないで下さいね。

裏が白いきっぷ

実はエドモンソン券の中にも、裏面が黒くないきっぷがあります。

券売機ではなく、手売りされているきっぷの中には厚紙に印刷されただけの物があるんです。

鉄道業界では「硬券」と呼ばれ、主に券売機を設置する余力の無い地方の鉄道会社に見られます。

あらかじめ印刷された切符に日付印を押します

都市部でも、記念入場券などは「硬券」で売られていることがあります。

二色サーマル

最近のきっぷの中には、黒い印字だけでなく、赤い印字のできるものがあります。

きっぷの原紙に印刷する方法には2種類があります。一つは転写リボン方式で、もう一つは感熱方式です。

最近の方式はほとんど感熱方式です。コンビニのレシートのように、高温で黒く変色する素材を使っています。

さらに最近の感熱方式のきっぷには新しい機能があります。それは高温で黒になり、それより少し低い温度では赤く変色する機能です。

このため、いったん黒で印字したきっぷに、あとから赤で印字することができます。

新幹線の乗換改札口などで、降りた駅と時刻が赤で印字されるのは、この新しい感熱方式を利用しています。

赤い印字は後から足せます

この方式に対応した乗車券原紙のことを、「二色サーマル」のロール紙と呼んでいます。

8センチ券と12センチ券

近距離の切符以外に使われているサイズの切符をご存じでしょうか?特急券や長距離の乗車券などに使われている、あのサイズです。

この切符はエドモンソン券の横幅である5.75センチのタテ幅と、8.5センチのヨコ幅をしています。

つまり、エドモンソン券用のロール紙を縦長にカットすることで出来上がるサイズですね。

この切符も当然、自動改札機を通すことができます。

特急券や長距離の乗車券には、印字する文字の数や載せるべき磁気情報が多くなります。そのため、近距離切符よりも大きなサイズが必要になるからです。

ちなみに、もっとヨコ幅の大きな切符があります。それはタテ5.75センチ、ヨコ12センチのかなり横に長い切符です。

この切符の特徴は、「自動改札機に通せない」ということ。係員の居る改札口で券面を見せて通るタイプのきっぷに使われます。

係員に見せて通る切符の例

同じロール紙から、全部で3種類のサイズのきっぷが作られているわけですね!

乗車券原紙の価格

さて、そんな最新の技術が詰まった「二色サーマル」の乗車券原紙ですが、いったいどれぐらいの値段なのでしょうか?

諸説ありますが、一巻きで4,000円ほどするみたいです。一巻きからエドモンソン券で数千枚分作れるので、切符一枚で1円くらいですかね?

これが高いと思うか安いと思うかは人それぞれですが、それなりにコストをかけて切符は作られているんですね。

まとめ

  • 様々なサイズの切符がある
  • 裏面には磁気データが書き込まれている
  • 裏面が白い、紙の切符もある
  • 温度差で色の違う印字ができる
  • 自動改札を通れない切符は長細い

ひとくちに切符と言っても、様々な種類がありました。

今後はICカードの更なる普及によって切符の需要は減っていくでしょう。

新幹線や特急に乗る際など切符を使う機会があれば、200年間の切符の歴史について想いを馳せてみて下さい。

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